2006年11月14日(火)


前回の二次検査の結果を聞きに病院へ行く。
中待合に通され、前の人が終わったのになかなか呼ばれず、書類をパラパラ捲る音が聞こえて、書類を精査しているようである。尚、ここの病院は中待合と診察室とはカーテンで仕切られているだけで中の声は丸聞こえである。(今は新しいところに新築移転したので、その辺は改善されたかも?)


前の人が終わって5分ぐらい経ってから名前を呼ばれて中へ入る。座って最初に発せられた言葉は「大変残念なお知らせです。前回の検査の結果、悪性細胞が発見されました。」と言われ、「それはガンということですか?」と聞いたら、「そうです、あなたは胃ガンです。」とあっさり告知される。「検査の結果、たぶん、早期ガンと進行ガンの中間ぐらいと思われます」とのこと。


その後、胃レントゲンと先日の内視鏡写真で説明されるが上の空となる。医師が「これは手術になると思います。紹介状を書きますのでどこの病院が良いですか?」と聞かれても頭の整理ができておらず、「とりあえず、永年お世話になっている主治医がおりますので、その先生と相談して決めますので、その旨お願いします。」と言ってお手紙を書いてもらう。


手紙と写真、その他関係書類が揃うまで待合室で待っていたが、受け取りまでに40分ぐらいかかった。その間、つらつら考えていたら目の前が真っ白になりかけて、冷や汗たらたらとなり失神寸前になる。


全ての書類を受け取り、直ぐ会社の上司を近所の喫茶店に呼び出しことの経緯を告げ、「入院手術になり、当分の間、休まなくてならなくなり迷惑を掛けるがお願いします。」と言って理解してもらう。


この日は早退させてもらい自宅に帰る。帰宅し嫁さんに事実を告げると思わず泣き出してしまい、先に泣かれて自分は泣くことができず。嫁さん曰く「告知って、そんなにあっさり言うものなの? ドラマとかなら家族を呼んで告げるとかするのに...」と言われても困る。こちらも初体験なんだから、それに「家族を呼んで」などと言われたらそれだけで”ガン”とわかるやん。どっちみち同じ結果だけど、一緒なら多少は心強いかも。一人だと冷静さを失い、聞きたいことが整理できないからなあ。


尚、この際だからと以前から用意してあった遺書ではないが、万が一の時に困らないようにと作成した文書と関連資料を嫁さんに見せて説明した。資料は各種手続き方法、所有している有価証券、生命保険、健康保険関係の手続き、葬儀の際に連絡して欲しい人や希望などほぼ遺書に近いが...
嫁さんはもちろん困惑していた。でも、死んでからは伝えようがないので心を鬼にして伝えた。また、小学生の子供たちには本当の病名は言わないことにして、入院等がはっきりした時点で話をすることに決めた。


その夜は大好きなサッカー放送があったが全く身が入らず最悪の夜だった。